マルカネの自社工場”新湊食品工場”は決して大きくはありません。
最新の設備があるわけでもなく、社員数も数えるほどです。それでいて、製品の製造は大半が人の手によって行われます。
大きな会社・大きな工場では生産効率を上げるために、大きな機械を使用して大量生産しようとするでしょう。
一見、マルカネのやり方は非効率・非現実的だと思う方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、それこそがマルカネの強みなのです。
今回は、なぜマルカネが手作りにこだわるのかをご紹介したいと思います。
大量生産だけが効率化じゃない
私たちマルカネが製品を製造する際は、手作りにこだわりをもっています。もちろん、真空パックにするときやサバを焼くときなどには機械を使用しますが、何百万円もするような大きな機械は使っていません。
なぜなら、ひとつひとつの商品を丁寧に作りたいからです。
これは非効率のように見えますが、実際はそうではありません。
例えば、しめさばを作る過程で塩水につけるとき。
一般的な大きな工場では、巨大なタンクに塩水を入れ、その中にサバを投入していきます。一度にたくさんのサバを入れることができますが、タンクが大きいために上と下では塩分濃度にどうしても差が出てしまいます。そうなると、個体によって塩の入り具合が異なり、均一化するのが大変になってしまいます。
また、たくさんのサバを重ねてしまうと身にダメージがかかってしまい、結果的に不良率が上がり効率が悪くなってしまう場合があります。
マルカネでは、独自の製法により少ないロットで加工しています。確かに、一度に生産する量では勝てないかもしれませんが、ひとつひとつの商品を人の手でしっかりと作っているので不良率は下がります。
製造者にとって不良率が1%であっても、もし消費者がその商品を手にしてしまったら、消費者にとっては不良率100%になってしまうのです。
すべてのお客様に満足のいく商品をお届けすること。それが私たちの目指す高品質です。
キーワードは Just In Time
トヨタ自動車が代表的な例として挙げられるジャストインタイム生産システム。これは、「必要な物を、必要な時に、必要な量だけ生産する」という考え方です。
このシステムの最大の利点は、在庫数を極力抑えることができることです。在庫数が少ないということは、狭い場所での保管が可能となります。
また、大量生産システムでは一度にたくさんの商品を製造するため、運ぶときはフォークリフトなどコストの大きい重機が必要になってくるでしょう。
しかし、マルカネでは何においても単位を小さくするように努めており、例えば3枚におろしたサバは20枚ずつバットに入れることで、女性でも簡単に持ち運ぶことができます。
これらはすべてコスト削減につながるので、ひとつひとつの商品が手作りなのにビックリするような商品価格となることはありません。
ただし、マルカネが狙っているのはそこだけではありません。
それは、お客様に新鮮で安全な商品をお届けできるということです。
”サバは足が早い”という言葉があるように、サバは鮮度が落ちやすい魚です。在庫があれば大量注文にもすぐ対応できますが、何よりも大事なのは安全性です。あらかじめ作って保管していた商品より、ご注文をいただいてから製造を開始した商品の方が新鮮なのは明確ですよね。
■マルカネ新湊食品工場はその安全性から、青森県より「A-HACCP」の認定を受けています。詳しくはこちら。
手作りの先にあるもの
私たちマルカネが最終的に目指すもの。
それは「料理人がお客さんの目の前で調理してお出しする」こと。それを「工場で再現する」ことです。
ひとつの商品を丁寧に作りながらも、それを量産していく。相反するものを同時に追うことは簡単ではありませんが、それを実現しているのは計算しつくされた製造フローです。
そして、その中心にあるのが、人の手を使った独自製法です。
高品質の商品をすべてのお客様にお届けするため、私たちはこれからも手作りにこだわっていきます。